【ブギーマン:ザ・フェイスレス】物語のリスクアセスメント試行例

ブギーマン:ザ・フェイスレス - カクヨム

 

 書きました。

 本記事は、内容はさておき、製作過程のメモというか、プリプロダクションの文書記録のようなものです。内容については、前の記事をご参照下さい。

 

 品質管理というものがあります。たとえばソフトウェアでもハードウェアでも何かしらの製品を設計するとき、その設計の妥当性を検証する過程を踏み、文書化することが、より良い製品を作ることはもとよりその製品を用いたことで生まれる損害を事前に回避することにつながります。たとえば機械の設計図があったとして、クライアントの要求仕様に見合っているか、要求仕様に見合った機能を搭載しているか、その機能を実現するに足る設計であるかを検証しなければなりません。

 そのためにしばしば用いられる手段が、リスクアセスメントと呼ばれるものです。

 設計図、仕様書等を前にして、やがて生じるかもしれないリスクを徹底的に書き出し、その対処が十分であるか、十分でないならどのような対策を取るのか、対策を取らないのであれば、なぜ対策を取らなくても問題ないといえるのか。これらを文書化し、検証するのです。

 さて、物語にはプロットがあります。プロットは物語の設計図です。設計図であるのならば、アセスメントを行うべきなのではないか。ブギーマン:ザ・フェイスレスのプロットを作成した後に、ふとそんなことを思ったわけです。社会人を舐めるなよ無職学生ども。

 前説はともかく、実例をごらんください。

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 こんなことをやったのはもちろん初めてなので、そりゃあもう手探りでした。やってみて気づいたのですが、これ、なんだかセルフで編集者的な存在と対話しているような感じで大変よかったです。ただプロットを読み直す、練り直すよりも、一覧表にして数字を付けてみると、目を背けていたものにも目を向けざるをえないものです。リスク軽減措置を実施してよかったと思うことも数多くあり。

 ただ、そもそも品質管理とはアメリカで生まれた概念で、職人がいないかの国で、技量が低い作業者たちしかいない工場でも一定の品質の製品を生産・供給できるようにするためのシステムであることを、忘れてはいけないでしょう。マーベル・シネマティック・ユニバースの悪口は言っていないし、たぶんあそこではこれをもっと激しくしたような物語の品質管理が行われているんだと思います。