27 - 映画『無垢の祈り』を観た

 当代一のペド映画である。

 原作は平山夢明の光文社文庫から出ている文庫『独白するユニバーサル横メルカトル』に収録の同名作。出世作とのことで、私もこれで平山夢明の名を知った。露悪的なエログロナンセンスのために人を選ぶ作風であり、昨今のイヤミス流行り補正でゲタを履かせても、映画化原作には向いていない。

 さて、最低最悪のペド野郎どもにこの映画『無垢の祈り』を勧める理由は、突き詰めればたったひとつ。撮影当時9歳の子役が主演しているという厳然たる事実である

 

『無垢の祈り』 - 上映 | UPLINK

【STORY】 
学校で陰湿ないじめを受ける10歳の少女フミ。家に帰っても、日常化した義父の虐待が日を追うごとに酷くなり安息の時間もない。母親は、夫の暴力から精神の逃げ場をつくるべく、新興宗教にいっそうのめり込んでいく。誰も助けてくれない――フミは永遠に続く絶望の中で生きている。
そんなある日、自分の住む町の界隈で起こる連続殺人事件を知ったフミは、殺害現場を巡る小さな旅を始める。そしてフミは「ある人」に向けて、メッセージを残した――。

 

  いや、最高ですね。

 もう少し話の筋を紹介すると、映画の冒頭でフミは見ず知らずのペドフィリアのおじさんに淫行を強要されます。この嫌がり方がものすごくリアルなんですわ。変態の仕業としか思えない。路地裏で台の上に座らされ、足を開かれ、スカートを抑えて抵抗してカット。そして次のカットで、右腕を不自然に動かさずに早足で歩くフミの姿。開けているが人気のない、工場街のバス停のベンチに座り、フミはおじさんに押しつけられた黄色いハンカチを取り出し、右手に付着した謎の白い液体を拭う。

 お前これ、これ、こんなん9歳に演じさせていいのか、いいのかっていう話ですわ。やべーよ。それに黄色いハンカチって何だよ。幸福の黄色いハンカチかよ。ナメてんのか。最高!しかもこの黄色いハンカチを押し付ける変態ペドフィリアの変態トークがマジで変態すぎて最高でぼかぁもう……

 いや、最高ですね。

 家では義父に拳とチンポで暴力を振るわれ、母親はカルト宗教狂い。立てばビンタ座ればレイプ外を歩けばペド手コキな地獄に落とされたフミは深い絶望の底にいます。そして街に潜んでいた連続猟奇殺人鬼「骨抜きチキン」がそのペドフィリアを偶然にも殺したことで、フミは骨抜きチキンに憧憬を抱き、殺人事件の起こった現場に足を運び「アイタイ」というメッセージを残す。フミの抱いた「無垢の祈り」とは一体……? という筋書きです。

 いや、最高ですね。*1

 実際に9歳の少女を主演に据えて性犯罪や性的虐待を演じさせることで、エロ・グロ・ナンセンスを文芸の領域へと叩きつける力を持った映画化だ。撮影地川崎の不気味さも実にいい。昨今の工場夜景ブームに中指立ててるという見方も、穿ち過ぎではないだろう。

 映画の根底を流れているのは、救われなさへの深い怒りだ。祈らずとも愛されるべき子供が、救いを求めて祈らなければならないとしたら、それは悪のなせる業である。川崎の不気味な工業地帯を大きく映したショットの数々は、救いの手を差し伸べなかった大勢の人々を象徴するとともに、観る者一人ひとりを糾弾するのである。なぜこの子にこんなことを言わせた、と。イグ・ノーベル賞のミス・スウィーティー・プー然り、あの年代の少女が発する言葉に特別な力があることは間違いないのだ。

 とにかくこんな脱法ロリ、観られる時に観るべきだ。くたばれ、ポリコレ!

 

*1:こんなことを言うと性犯罪を肯定しているように誤解されるかもしれないが、フィクションを好んで消費することとその行為を肯定することは全く別であると記しておく。

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