48 - 20191228-29 東伊豆ツーリング

 2016年式のCBR400R(トリコロール)に乗って3年、どうもこのバイクはそこそこのロングツーリングに向いているらしいぞ、と気づき始めた。フルカウルだから風を浴びない、400あるから高速も楽、峠道ではパワー不足だけどそんなに攻める乗り方をしなければ十分。見た目に惚れて新車で購入した車両だが、そこそこのうねり道を攻めずに流すのが好きな自分の乗り方に意外と合っていた。一緒にいて初めて魅力がわかってくる、と書くとなんか人間の話みたいだ。

 というわけで、年末の休みを利用してツーリングに繰り出した。目指すは東伊豆。静岡県西部在住なので、直行すると片道3時間半ほどの行程になる。午前中に出発して数カ所寄り道して食事をして、とすると一泊二日にはちょうどいい距離だ。

 まずは新東名高速を東へひた走り、駿河湾沼津SAで休憩。知らんバイカーに話しかけられる。悪夢のパンツ目CBRがベントされた後に出てきたトリコのCBR400Rは、2年くらいでラインナップから消え、今の400Rは250RRから始まった系統にデザインが刷新された。珍しいためか旅先ではこういうことがよくある。

 そこから箱根峠を経由して、伊豆スカイラインに乗った。途中、悪名(?)高い箱根ターンパイクの入り口を通り過ぎる。もうちょっとパワーのあるバイクに乗り換えたら走ってみたい道だ。

 伊豆スカイラインを走るのは初めてだった。パラグライダーに興じる人々を眺めつつのんびり走る。有料なだけあって途中に公園やレストハウスが整備され、何度か走ったことのある西伊豆スカイラインADCの悲劇:アクサダイレクトコーナーで立ち止まっていたら立ちゴケしてシフトペダルが完全に曲がり、エンジンはかかるもののシフトチェンジ不能になってアクサダイレクトコーナーで誰かー!する羽目になった事件。思い出したくない。)より路面状態もよかった。途中落書きだらけの廃墟があった。あれは一体なんだったのだろう。

 亀石峠ICで伊豆スカイラインを降り、隘路を抜けて伊東の市街地へ。古来の温泉街がユニクロしまむら、ガスト、TSUTAYA、ゲオ、はま寿司などの地方都市の幹線道路沿いフルセットへと置き換えられて、地方の原風景がまさに今上書きされている状態が垣間見えた。

 昼食のため伊豆高原ビール本店に立ち寄った。

 駐車場に車が多数停まっており、経験的に、ツーリング先で出会うそういう店は飯がうまい。しかしここは普通に人気店らしく、家族連れや若者のグループが多く、あまり快適ではなかった。もうちょっとローカル感がある方が好きなんだよな。

 

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 若い人が多いのはこういうSNS映えするものを出すからだと思う。(食べればうまい)

 その後、少し道を戻って今回の目的地その1へ向かった。

 

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 まぼろし博覧会。以前何かで見てからずっと行きたいと思っていた。うん、好きなんだ、おサブにカルなやつ……。

 入って5分で若干来たことを後悔するサブカル具合だった。好きな人はこういうの好きだよね。

 

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 お察しの通り、私も好きです。

 実際に足を運んでみると、半分は本当に気が触れてしまった人の仕業という感じ(地方にまれによくある正体不明の廃墟を娯楽化しているような雰囲気)だが、もう半分はこの手の作品を作る現代美術家や、サブカルをこじらせてSNSで発信したり同人誌を作ったりする人の作品展示場だった。ストリップ研究のパネルの横にツイッターのIDが書いてあったりする。幻想生物や宇宙人の標本なんかも結構あった。月間ムー、エログロナンセンス大正ロマン、昭和レトロ、ホラー、そういった観念のごったまぜ。そういうのを彼らはニューカルチャーと呼んでいるらしい。

 

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 SAN値削れるというか、ゴーストがささやくというか……。

 驚いたのは、少し前に行き先がないと話題になった、東京藝大生が学祭で作った馬頭観音の山車が移設されていたこと。

 

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 保管どころか鑑賞の機会まで与えられるのは作品にとって最も幸福なことだし、とても喜ばしい。一方でここに展示されるとはすなわち無価値の証明のようで、それはそれで考えてしまうが。

 ウーンと悩みつつ次の目的地へ向かう。海岸沿いに走る東伊豆道路をひたすら南下。半島の東側なので、午後になるとずっと日陰になってしまい、オーシャンビューはいまひとつ。このあたりは夕日に富士山まで見える西伊豆に軍配が上がるか。

 そしてえっちらおっちら走っていくと左手に見えるのが、体感型動物園iZooだ。

 伊豆の動物園・水族館は、地方ゆえの生き残り策なのかどこも独特の展示を行っていて、観に行くと非常に楽しい。ここはヘビ!カメ!イグアナ!で押していて、爬虫類にシンパシーを感じる両生類アイコンとしては一度訪れてみたいスポットだった。

 

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 理想の余生トカゲとかガンダムSEEDのOPみたいなトカゲたちとか。イグアナだったかもしれない。

 そして順路を進んでいるとインパクトのある表示が。

 

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 歩いている。順路を。カメが。

 

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 メッチャ触れる。

 

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 おさわりOKのカメがうじゃうじゃいる。人よりカメの方が多い。おっぱいなら全国津々浦々のおっパブに行けばいいが、カメにおさわり大回転したければiZooに行くしかないっぽい。あとウーパールーパーにも触れる。

 

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 これはスリナムメガネカイマン(カッコいい)。

 ニシキヘビと記念撮影!!!なんてスポットもあったが、やめておくことにした。自分の声が杉田智和だったらぜひ撮影したかった。

 特にトカゲが足元を歩いていることはなかったと出てきて気づく。そっちは野生か。

 ここで17時に近づいていたので宿へ向かう。今回は、下田の少し北にある白浜温泉というところの温泉民宿にした。

 

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 夕食と朝食。アジがうまい。もうアジしか見えない。釜飯の中身はサザエだった。伊豆の温泉宿、シジミか何かのようなノリでサザエが出てくる。

 朝食の方の、マヨネーズがかかっている謎の根菜のようなものは、ヒジキだった。こういうヒジキを食べるのは生涯で2回目。メッチャおいしい。もうヒジキしか見えない。

 

 2日目。2019年に数々の非礼を働いてしまった和尚(解脱)(無惨!恥垢浪士☆涙のおまんこ団体交渉)(家族でワクワク☆志摩スペルマ村の聖なる水)(高速金玉増殖炉☆とろとろミルクこくまろ号)(婚姻届とペアリングの写真を上げて結婚報告するのをやめろ)さんに詫びを入れる約束があり、沼津を目指して出発する。

 天城峠あたりを抜けて下田街道を北上して走る。

 

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 大事なことですが、かの名曲「天城越え」は寝取られの歌です。

 下田街道から修善寺道路に入り、少し時間に余裕もあったので途中で降りて三津・内浦方面へ向かう。

 目的地はあわしまマリンパーク

 カエルアイコンなのでカエル館が見たかった。それと、以前にこのあたりを訪れた時はまだラブライブ!サンシャイン!!を未視聴だったので、見えるものが変わるかと思っての訪問だった。

 結果としては、変わるどころかあわしまマリンパークに一歩足を踏み入れれば、チケット売り場から船からなんもかんもラブライブ!サンシャイン!!だった。

 

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 渡辺曜ちゃんはかわいい。

 水族館としては非常に小規模だが、凝ったパネルとラブライブ!で保たせているという印象だった。チケット売り場では無限にラブライブ!サンシャイン!!の歌が流れており、居合わせたキッズが「うるさい!!!」とキレていた。そのまま健やかに、オタクにならずに育ってほしい。

 

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 ペンギンはかわいい。

 

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 これは次のアイコン候補の、いい感じにたそがれたベルツノガエル。

 

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www.at-s.com 

 シャイニー(破産)!

 

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  わざわざキャラクターの誕生日のナンバーを取ったマイクロバスが味わい深かった。

 あわしまマリンパークから市街地を抜け、沼津港へ向かう。

 

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 ゴーバスターズ。

 

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 アジフライ定食にした。写真を取る前にちょっと食べてしまった……。

 和尚(解脱)(無惨!恥垢浪士☆涙のおまんこ団体交渉)(家族でワクワク☆志摩スペルマ村の聖なる水)(高速金玉増殖炉☆とろとろミルクこくまろ号)(婚姻届とペアリングの写真を上げて結婚報告するのをやめろ)さんはバイク帰省の途中で、ちょうどこちらの旅程と重なりそうだったのでお声がけして来ていただいた。20年もののSR400に革ジャンで乗っている姿はまさに男の世界だった。確かにSRには機能性の高いジャケットやブーツが似合わない。しかしチョークを引いてキックでスタートするバイクを横目に一発セルスタートするバイクに乗る、この優越感と敗北感が一緒になったような感情は一体なんなのだろう。さておきツイッターに婚姻届とペアリングの写真を上げて結婚報告した野郎だけは絶対に許さないという認識を共有し、共同声明を発表して別れた。旧年中の数々の非礼を改めてお詫び申し上げます。

 東名高速に乗って帰宅。非常に疲れたがいい旅だった。

 

 しかし、下道やある程度のワインディングを走る限りはCBR400R is 最高という感じでも、峠道になるとパワー不足を実感する。ツーリング寄りのカウル車もいいけど、もう少しパワーのあるネイキッドで峠を攻めてみたくもある。快適性や下道走りの世界観とパワーアップを両立するならXSR700ないし900に風防を着けるのが最適解だが、いっそCB650Rとかでも乗ってみれば楽しい気もする。