34 - やれたかも委員会「オーバースキルを使いたかった、あの夜」

○謎の会議室

 三人の男女が並ぶ前に立つ、メガネの男。

T「犠星塾 塾長 能島明」

 能島、腕を組み無表情。

T「ミュージシャン パラディソ」

 Macbookリボルテックヤマグチ新作を検索。

T「財団法人ミックステープ代表 月満子」

 スマホ氷食症について検索。

 スマホを置き、メガネを直す。

T「機械設計エンジニア 高橋矢尻」

高橋「当時私は大学生でしたが、留年中でした」

高橋「ですから、暇に任せてアルバイトをしていました。書店とレンタルビデオ店が一体になった大型店舗の、書店フロアの方です」

 

○書店

 品出しする高橋。書店の制服。

 マイナー漫画の棚を丁寧に整理する。

高橋「そこで意気投合したオタク友達がいたんです」

 隣に現れる、同じ制服姿で、高橋と同じ漫画を手ににやりと笑う男。

高橋「斎藤という男でした。品出し後から夕方までの朝番シフトに入れる若い男ですから、まあなんというか、スネに傷があるタイプでして。彼も大学を休学中で、時間が有り余っている、端的に言ってクズでオタクな大学生でした。私と同じように」

 

○居酒屋

 盛り上がる酒席の隅。周りから背を背けるような高橋と斎藤。

高橋「バイト先の飲み会でも、私たちは他のバイトらから離れて、アニメの話ばかりしていました」

 

高橋(昔)「桂ヒナギクいいよね…」

斎藤「ナギ様派なんだよな…」

高橋(昔)「くぎゅか、わかるよ」

斎藤「そういうお前は御前」

高橋(昔)「ふ、ふふ…」

斎藤「ふふふ…」

 

高橋「私たちは、ウマが合っていました。今思えば、リア充、今で言えばパリピでしょうか、彼らに紛れてバイトなんて、結構無理があった。私たちは互いに無理をしていて、だからこそ戦友を見つけたような気持ちでいたんです」

高橋「でも、そんな私たちの安心な関係に、いつも割り込んでくる女性がいました」

高橋「カオリさんといいました。さらりとしてロングの、深い茶色の髪が印象的な、やたら美人な先輩でした。年齢は私たちより、ひとつかふたつ上だったでしょうか」

 

 高橋の隣に座るカオリ。

カオリ「あ、それ、日曜の朝にやってるアニメでしょ。あたし観てるよ~」

高橋(昔)「そ、そですか」

斎藤「ニチアサです…」

カオリ「ギャグのテンポが天才的じゃない? 朝から腹痛くなるっつーの。ね?」

高橋(昔)「…」

斎藤「…はい」

 うつむく斎藤と高橋。

 

高橋「今にして思えば、もう少し上手い話し方があった。でもあの時の私たちにとって、カオリさんは『向こう側』の人でした。斎藤と話している時のような安心は、カオリさんでは絶対に得られなかった。気さくな年上の、やたら美人な先輩が私たちに何を求めているのかもわからなかった。カオリさんが来ると、私たちは言葉少なに、とっくに冷めた揚げ物に箸をつけ、薄まった飲み物に口をつけました。」

高橋「それでもカオリさんは楽しげでした」

 

カオリ「あたしも結構アニメとか観るんだよね~。でも、あんま話できる友達いなくてさ」

高橋(昔)「そうなんですか…」

斎藤「…」

カオリ「二次会、行くよね?」

 カオリ、頬杖をついて笑顔。

 

カラオケボックス

高橋「二次会は決まってカラオケで、斎藤と私は決まってキングゲイナー・オーバー!を歌っていました。キーが高くて声量が要る歌です。ふたりで歌うとちょうどよかったんです」

 

高橋(昔)「こもるだけでは何ができると いじける俺に教えてくれた」

斎藤「君と出会って 胸をあわせば命が」

高橋(昔)「メタルファイヤー…」

斎藤「燃えてきた…」

高橋(昔)・斎藤「メタルフゥゥーーーーールコォーート!!!」

 モンキーダンスを踊る高橋と斎藤。

 足を組んで微笑みつつそのさまを見ているカオリ。

 

高橋「バイト先は人数が多くて、カラオケに行くと部屋がいくつかに別れました。ですがカオリ先輩は、いつも私たちと同じ部屋にいました。やたら美人な先輩が、なぜかいつも、同じ部屋に」

高橋「そんなことが数回続きました。飲み会。アニメや漫画。割り込んでくるカオリ先輩。カラオケ。キングゲイナー・オーバー!。あの頃流行っていたものの話ばかりでした。ひぐらしとか、東方とか、ハルヒとか、らき☆すたとか。斎藤は結構な東方厨で、十六夜咲夜のアクキーなんかカバンにつけていました。カオリ先輩はそれを見ると、『あ~、咲夜じゃ~ん!』とか言うわけです」

高橋「嫌だな、と思いました。だから俺と斎藤だけがよかったのに、とも思いました。私には東方がわからなかったんですよ」

高橋「そんな冬のある日の飲み会でした」

高橋「斎藤が欠席したんです」

 能島、激しく影の差した無表情のアップ。

 

○居酒屋

 居心地悪そうな高橋(昔)。正面に座るカオリ。

カオリ「高橋くんって、あんまり話さない人?」

高橋(昔)「そんなことないです…」

カオリ「あるよ~。今日だって、斎藤くんといる時の半分も喋ってないし」

高橋(昔)「そんなことないです…」

カオリ「二次会、行くよね?」

 

カラオケボックス

 やはり居心地悪そうな高橋(昔)。正面に座るカオリ。

 他のメンバーが歌っている。広瀬香美の『ゲレンデがとけるほど恋したい』。

 ウーロン茶を飲む高橋(昔)。

 

高橋「その夜の私は、『早く帰りたい』以外のことを考えていませんでした」

高橋「ですがそのカラオケボックスで、私にとっての大事件が起こりました」 

 

 曲を入れると席を立ち、高橋の隣に座るカオリ。

 両手にマイクが一本ずつ。カオリは一方を高橋(昔)に渡す。

 入った曲は『キングゲイナー・オーバー!』。

 カオリ、にやりと笑って親指を立てる。

 

高橋「初めてでした。異性とふたりで同じ曲を歌うの」

高橋「オーバーヒートでした。ツンドラを溶かすような」

 

カオリ「愛と勇気は言葉!」

高橋(昔)「感じられれば力!!」

カオリ・高橋(昔)「メタル・オーバーマン キングゲイナー!!!」

 

○路上

バイト仲間たち「お疲れ様っした~!」

 

高橋「会場がバイト先に近かったので、何人かはまとまって、夜シフトの連中がいる店に行こうとか騒いでいました。私は終電が近くて、すぐに帰るつもりでした」

高橋「カオリ先輩が私を呼び止めました」

 

カオリ「高橋くん、電車?」

高橋(昔)「はい…」

カオリ「あたしこのへんなんだ~。いいっしょ」

高橋(昔)「ははは…」

カオリ「斎藤くんいなくて残念だったね。なんか居心地悪そうだったし」

高橋(昔)「そ、そですね。……あっ、今度はCan you feel my soul歌おうぜって言ってたんですよ。斎藤と。俺、エンディングの方も好きで、むしろエンディングの方が、ニコニコとかでは、オープニングの方ばっか人気ですけど…」

カオリ「お前ら絶対本編観てねーだろってね」

高橋(昔)「そう! 絶対観てないっすよね、ああいう奴ら!」

カオリ「いいよね~。告白シーンとかめっちゃ好きだし」

高橋(昔)「いいですよね」

カオリ「言われてみたいな~、ああいうの」

高橋(昔)「え?」

 高橋(昔)、顔を上げる。

 カオリ、ぼぅっと上を見ていた目線が下がり、高橋を見る。

カオリ「キミなんか似てるな~、ゲイナーに。メガネだし」

カオリ「言ってみてよ~、ほらほらぁ」

 

○謎の会議室

高橋「私は…何も言えませんでした。笑ってごまかすばっかりで」

高橋「……」

高橋「もしも私に、あの時、ゲイナー・サンガのような度胸があれば」

高橋「笑われてもいいから大声で告白して見せるような勇気があれば、あるいは…」

 

能島「!!……【やれた】」

能島、壮絶な表情。

 

パラディソ「……【やれた】」

パラディソ、サングラスの下に沈痛な眼差し。

 

満子「……【やれたとは言えない】」

満子、メガネに手を添え、表情は見えない。

 

パラディソ「【やれた】【やれた】【やれたとは言えない】」

パラディソ「【やれた】2票ということで、高橋矢尻さんのお話…【やれた】と認定いたします」

 一同拍手。

 浮かない表情の高橋。

 高橋、天を仰ぐ。

高橋「やれたか…」

能島「凍りついた大地を溶かす、一筋のやれたかも」

能島「ツンドラの上にだけ咲く、花があります。大切にしてください」

高橋「…ありがとうございました」

 釈然としない表情の満子。

 高橋、それに気づく。

高橋「あの、月さんは、どうして……」

満子「……レンタル、しませんかね」

高橋「レンタル?」

満子「バイト先のレンタルビデオ店がすぐそばだった。だったら、そのアニメを借りて、一緒に観ようと誘うんじゃないでしょうか。カオリさんの家は近いんですよね」

高橋「……!」

 高橋、目を瞬かせる。

高橋「で、でも、ならどうしてカオリさんはあんな…」

満子「したかったんじゃないでしょうか」

高橋「したかった?」

満子「アニメの話」

高橋「……はい?」

満子「アニメの話、したかったんじゃないでしょうか」

 

[了]

 

――――――――――――――――

本記事は創作です。また、吉田貴司さんの「やれたかも委員会」とは何の関係もないファンテキストです。

 

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33 - 大阪へ行った

 ダンケルクIMAX次世代レーザーで鑑賞するため、大阪へ行った。前日まで仕事で出張先ビジネスホテルへ軟禁、当日AMも地獄現場へ出勤しての強行日程。おまけに翌日には台風が来る散々な旅行だった。

 ただし、出張ぐらしにも多少はいいところがある。ビジネスホテルのポイントがありえんくらい貯まるのだ。1泊1ポイントで10ポイント集めると1泊無料みたいなポイントが170ポイントとか貯まる。170て。身長か。

 そんなわけで、都市に行くのであればどこでも宿代がタダになる身である。むしろ出張先は地獄限界地方都市が多く、宿代も安いので、都市に泊まるときにポイントを使ったほうが得になる。こんな情報知りたくはなかった。

 

 今回は梅田から御堂筋線でひと駅のところに宿が取れた。大阪に行くとしたら109シネマズエキスポシティ大阪の次世代レーザーIMAXが目的で、エキスポシティ大阪に繋がる大阪モノレール北大阪急行千里中央駅と接続していて、北大阪急行は地下鉄御堂筋線と直通している。なので、御堂筋線に宿を取るととても楽だった。

 ダンケルクは1泊開けた翌朝一番の回を取ったので、夜が暇だった。そこで、梅田方面へ足を伸ばしてみることにした。噂の梅田ダンジョンを体感しておこうという腹である。すると、面白いように迷う。目で見える、道路の向こうに行きたいのに、行けない。地下街に入ると絶対に迷うから地上を進めばいい、などという浅知恵を横断歩道のない道路が嘲笑う。新設された歩道橋がなければたぶん死んでいた。かと思えば2階から1階へ降りようと思ってエスカレータに乗ると地下1階まで直通で輸送される。ナメてんのか。ファイファンやってんじゃあねーんだぞ。

 目的地は梅田ブルク7ベイビー・ドライバーの鑑賞のためである。

 前回、ハドソン川の奇跡を次世代レーザーIMAXで観るため大阪を訪れた際に、大阪市内の映画館をあちこち巡り歩いていた。90年代の情緒が残るあべのアポロシネマ、西のアップリンク的な雰囲気のあるシネ・ヌーヴォアメリカ村の喧騒の中でとても若者受けしそうにない映画ばかりかけるシネマート心斎橋。人が多い場所は映画館のバリエーションも多くてよい。どうかシネマ・コンプレックスの波に飲まれず末永く生き延びて欲しい。

 さておき、同じところというのも芸がない。そこで、今回は新しめのところへ行ってみよう、と思いたち、ブルク7を選んだのだ。

 道に迷う途中、期せずしてTOHOシネマズ梅田の威容を見上げることにもなった。梅田周辺もシネマ・コンプレックスの進出に伴い、既存映画館群の再編が起こった様子。どこも同じなのだと知り、もう潰れた、お気に入りだった映画館のことを思い出しつつベイビー・ドライバーを観れば、思春期の頃に夢中になった音楽がかかるかかる。QueenBrighton RockとかSimon&GarfunkelのBaby Driverとか好きでしたよ。あ、これってあれだ、秋ってセンチメンタルですよね…ってやつだ、とひとりツボに入る夜。秋ってセンチメンタルですよね…。

 

 翌朝、早起きしてダンケルクを観、台風が来る前に東へ逃げる。551HORAIをまた買い損ねたことを除けば、いい大阪だった。

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32 - ロマンポルノ・リブート全部観た

 ロマンポルノ・リブート全部観た。

 

映画『ロマンポルノ・リブート・プロジェクト』公式サイト

 

  「上映時間80分前後」「10分に1回の濡れ場」「製作費は、全作品一律」「撮影期間は1週間」「完全オリジナル作品」「ロマンポルノ初監督」という6つの条件で作られた5作品。ポルノという、没個性が求められる媒体で逆に監督の個性を際立たせようという試みが非常に興味深く、私もロマンポルノ大好きな変態と化しながら映画館へ通った。思うところもあったので、各作品の雑感を残す。

 

1.ジムノペディに乱れる(行定勲 監督)

1週間―。
撮れない日々が続く映画監督の古谷(板尾創路)は、
鬱屈とした気持ちを抱えながら、
肌のぬくもりを求めて女たちの隙間を彷徨っていた。
仕事、名声、そして愛…
全てを失った男が、辿り着いた先に見つけたものとはー?

 『世界の中心で、愛をさけぶ』の大ヒットでサブカルな人々に「売れているものがいいものではない」という思想を強烈に焼き付けた行定監督(個人の感想です)がロマンポルノを撮るというだけで面白い。

 とにかく、手を変え品を変えたくさんのオンナたちとヤリまくる。寝取ったり寝取られたり、「テメエなんで俺のTシャツ着てんだよォ!」と怒鳴られつつ寝取られ男と迫真のデッドヒートしたりする。面白い。

 しかし、とにかくヤリまくる主人公・古谷だが、その裏には女一人への一途な愛がある。セックスに理由があることで、ただのポルノから遠ざけている。つまり、共感の隙を設けている。企画が発表されたときから、ユーロスペースでの特集上映でかつてとは違う見方をされていることが取り上げられたり、女性に、女性にと繰り返されていたこととつながり、すごく腑に落ちた。この万人受け(ロマンポルノだが)は、嫌いな人には嫌われるタイプなのだろうけど、ヒットメーカー、行定勲監督の個性がよく現れているのではないか。

 冒頭おっぱい露出シーケンスが無茶苦茶素晴らしかった。

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2.風に濡れた女(塩田明彦 監督)

都会の喧噪を避け、過去から逃げるように
山小屋で暮らす男・高介(永岡佑)は、
生命力を持て余し、
野性味溢れる魅力を放つ女・汐里(間宮夕貴)との
出会いによって、
欲望の渦に巻き込まれていくはめに…。

 「 あんた、アタシにロックオンされたんだ! 逃げられると思うなよ!?」

 主人公、劇作家の男、高介は女性関係の失敗をきっかけに都会から逃げ出し、山に小屋を立てて暮らしている。彼と不可思議な出会いを果たした謎の女、汐里や、東京時代の高介を知る訪問者たちが、ヤッてヤッてヤリまくるポルノ・コメディである。

 この、演劇というのがキモで、大自然を背景に繰り広げられる奔放なセックスの饗宴に、嘘のフィルタを一枚噛ませる効果を発揮している。間宮夕貴演じる汐里は怪演の域で、日プロ大賞も納得。特にハイエースの前に整列した童貞が順番に車内に入って狩られるところを文系サブカル女子大生とハメながら見るシーン(意味不明だがそのとおりなので観てほしい)が最高だった。

 山、海、炎、闇、夜の店舗等々、そこにあるものを使って非現実空間を作り、真ん中にまぐわう男女を置くというやりかたが上手い。あけっぴろげで、男の方がちょっと情けないセックスの数々は、なるほどポルノの枠には収まりきらないロマンポルノだった。

 食うか食われるか!だけではなくこういう女の子も出るのでその方面もぜひ。なんなんだよこの眼鏡は。

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3.牝猫たち(白石和彌 監督)

池袋の夜街を漂う3人の女。
呼び出された男たちと体を重ね、
そして、また夜が明ける―
都会の中で孤独を感じながら
颯爽と現代を生き抜く女たちと、
それを取り巻く男たちの物語。

 真面目か!!!

 『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』等のクライム・サスペンスで名を知った白石監督がロマンポルノ!?と聞いて劇場へ馳せ参じた。内容は、真面目というか、ストーリー重視の抜けないエロ漫画のような感じ。アフレコで昔っぽさを出しているのがまた、企画に真面目だ。

 三人のヒロインにそれぞれ社会問題的なものを背負わせてしまうのが、さすがである。ただ一方で、エロ漫画っぽいと感じたのは、三人を取り巻く男たちの現実からの浮遊だった。真面目さと、エロ漫画っぽさが、今ひとつマッチしていない。社会派で頭のいい監督が、必死で頭の悪いポルノをやろうとしているかのような、ぎこちなさが漂う作品だった。

 それにしてもJJエイブラムスかよっていうレンズフレアが過剰で笑ってしまった。角海老が絢爛と輝くレンズフレア

 とろサーモンの出演はNetflixの『火花』とのつながりを感じさせられた。

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4.アンチポルノ(園子温 監督)

小説家兼アーティストとして
時代の寵児となった京子(冨手麻妙)。
極彩色の部屋に籠もり、
マネージャー典子(筒井真理子)が
伝えるスケジュールを分刻みでこなす毎日。
寝ても覚めても終わらない悪夢。
私は京子なのか?京子を演じているのか?
虚構と現実の狭間で、
京子の過去の秘密が暴かれていく―。

 園子温監督が今怒っていることへの怒りをぶつけたような作品で、面白いかつまらないかで言ったらつまらない。女性を描いていることと色彩のドギツさを見るに、ペドロ・アルモドバルへの意識があるような気がする。

 いつもの園子温と言えばその通りなんだけど、正直、2011年以前のような作品はもう観られないのかと思うと、寂しい。

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5.ホワイトリリー(中田秀夫 監督)

傷ついた過去を慰めあうように
寄り添い生きてきた
二人の女・はるかと登紀子。
彼女たちの秘密に
踏み込んできた男・悟によって、
それぞれの愛が暴走をはじめるー。

 これはまじでいいものでした……飛鳥凛さんが、仮面ライダーWで園咲若菜役を演じた飛鳥凛さんが脱ぐという衝撃に私の股間のエンジンブレードもマキシマムドライブです。申し訳ないが他作品の主演女優さんより一枚上手に若くて綺麗だから、テント張らせるパワーが段違いなんだよ。

 おすすめなのは、ずばり、ひげなむち先生の成コミが好きな人。名の通りの百合ものなんですが、性に奔放でバイな「先生」と、彼女に心酔するレズで処女な少女のカップリング。と来れば、寝取り男がすることはひとつである。

 百合の花が散る官能的な女同士の絡みシーンから、嫉妬に我を失う少女。細かいセリフやシチュエーションはテンプレを踏んでくるんだけど、そのシリアスと笑いの境界線を曖昧にするセンスは、Jホラーの息吹を感じられた。女性の体のパーツへ異様に寄ったショットも、ポルノというよりは、シリアスと笑いの境にある、お耽美の世界だった。ロマンだよなあ~、ロマンポルノってのはよォ~。

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 映画離れが叫ばれる一方、邦画が熱い!と盛り上がる昨今。作家性で勝負するというロマンポルノ・リブートの試みが、原作ものやフランチャイズ主体になりがちな映画界に一石を投じたことは間違いない。いち鑑賞者として、その波紋が大きく広がることを願ってやまない。いえ、決して股間を盛り上げるためではなく。文化、文化だから。

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31 - 007についての妄言

www.newsweekjapan.jp

007/グレート・アゲイン(2018年公開予定)

 バハマ、ナッソー。英国機密諜報部員ジェームズ・ボンドは、あるサイバーテロリストの男を追跡していた。いけすかない上司曰く、彼はロシアによるアメリカへのサイバー攻撃の実行犯。CIAのフェリックス・レイターら旧知の仲間の協力を得て、ボンドは逃げる男を追い詰める。「殺すなよボンド、目的は保護だぞ」とレイター。標的を殺してばかりのボンドの悪名は大西洋を越えていた。だが、ようやく確保する寸前、謎の狙撃手により男は射殺されてしまう。

 作戦は失敗。お冠のMを無視したQの演説会が始まる。「ジェームズ、こいつの弾丸を受けるべきは、金遣いが荒い君の方かもしれないね」狙撃の弾丸は純金製。側面には『MAGA』と刻印されていた。「以前にウクライナで同じ金の弾丸を用いた殺人事件があった。親ロ派の背後にロシアの諜報工作があると指摘したジャーナリストが射殺された事件だ。ま、刻印はなかったけどね。その際、捜査線上に浮かんだのがこの男、名前はスカラマンガ」

 そしてMから新たな命令が下される。スカラマンガと思われる男がアメリカに入国。目的はある少女の殺害だというのだ。「例のサイバーテロリストは、自身の犯行の証拠を妹に託していた。国際ハッカー集団・アノニマスからの情報だ。この男は、元アノニマスのメンバーだが、特定の国家機関への利益供与を行ったとして除名されている。妹は現役のメンバーだ。スカラマンガの入国は彼女の殺害が目的と思われる。彼女を保護しろ」「なぜ私が。優秀なCIAの連中にやらせればいい」「我が英国をEU離脱に至らしめた世論形成においてもこのサイバーテロリストが関係している疑いがあるのだよ。加えて、スカラマンガの雇用主を辿った結果、ある男に辿り着いた。君も知っている男だ」米国大統領選の共和党側選挙コンサルとして、ドナルド・トランプの勝利に貢献したと言われる男。メディアへの露出は極端に少なく、出回っている写真も数枚のみ。スカラマンガの雇用主でもあるというその男の顔を一見して、ボンドは顔色を変えた。「少しはやる気が出たかね、ボンド君」仇敵エルンスト・スタヴロ・ブロフェルドその人であった。

 新たな装備と新たな車をQから受け取るボンド。行き先は米国、ミズーリ州セントルイス。「マティーニの代わりにバドワイザーだ、嬉しいかい、ジェームズ?」「くそくらえだ」「行ってらっしゃい。メイク・アメリカ・グレート・アゲイン……勝利のおまじないさ」

(ここまで30分)(続かない)

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30 - 2016年に観た映画

 2016年の新作映画で無事鑑賞できたのは80作(デジタルリマスター含む)だった。年始休みのアディショナルタイムでもう数作観たい。

 

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 何はさておき邦画・外国語映画に分けて年間ベスト。やっぱりゴジラと性犯罪なんだよな。

 特におすすめ、世にあるおすすめの絶対量が映画の出来に対して明らかに足りないという意味合いでおすすめなのは、邦画で『無垢の祈り』『黒い暴動』、外国語映画で『オマールの壁』『裸足の季節』。性犯罪、黒ギャル、パレスチナ分離壁NTR、少女が閉ざされた世界から脱出するやつ。どれも極めていいものだ。

 

その他もろもろはPDFでうpしてパスは愛でだから、暇だったらご覧ください。

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1109728.pdf.html

pass: aruren

 

 

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29 - 幸福(豚肩ロースブロック)

twitter.com

 

 バーザムが教えてくれたこれが極めてうまそうだったので、やってみることにした。

negineesan.com

 

1.豚肩ロースブロックを買う

 スーパーマーケットではあったりなかったりする豚肩ロースブロック。幸い、近所のスーパーにクリスマス前の時期だからか山ほど並んでいた。クリスマス。

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 400gちょっと。塊の肉、たまに買うと狩猟本能を刺激されるし、切っているだけで幸せになる。征服しているって感じがして思わずめっちゃ笑顔。

 

2.切る

 レシピに従い、これをまず縦に半分に切ってから10mm厚にスライスする。今回はおよそ200gを調理する。

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 今回は(これもレシピに従い)カイワレを入れることにしたので、こっちも予め切っておく。

 

3.調味料

豚200gに対し:

 おろしにんにく 1片

 醤油 大さじ2くらい

 酒 大さじ2くらい

 砂糖 大さじ1くらい

 ごま油 小さじ1くらい

 片栗粉 スプーン山盛り2杯くらい

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 こういうのは適当でいいんだ、適当で。

 一応量ったけど、ひと回しとかふた回しとかヤバめとか多めとかでいい。それがこのレシピのいいところだと思う。(後述)

 

 揉む。

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 この後ちょっと置いた。包丁とまな板を洗う5分くらい。

 

4.焼く

 フライパンに油をしいてちょっと熱くなったくらいでボウルの中身をだばあと入れ、一枚一枚広げる。広げ終わったら強火に。

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 ちょっとこげてんじゃねえのくらいになったら(レシピ原文ママ)弱火にしてひっくり返す。

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 ちょっと焦げてる。手ブレてる。

 片栗粉でもんじゃの土手というか、浜松餃子の羽根みたいなやつができてもちもちになる。

 ここで蓋をして5~10分待つ。

 

 その間に付け合せをなんとかすることにする。独居男性だから付け合せのために時間をわざわざ割くのもアホらしい。このレシピのいいところは、10分待つ間に一品くらいはできるところだと思う。予め考えておくのだ。楽、とにかく楽をして見目麗しく付け合せ機能に優れたものを作る。

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 水菜を切って塩、粗挽き胡椒、ごま油をかけて、混ぜて盛る。5分。残り時間で調理器具や調味料を片付ける。

 

 蓋を開ける。

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 片栗粉の土手と、肩ロースから出た油が合体してふつふつと煮立っている。ちょい焦げからおろしにんにくの香り。なんかてろんてろんな感じでうまみしかない。

 

5.盛る&食べる

 盛る。

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 白米とともに食べる。圧倒的にうまかった。

 このレシピのいいところ、にんにく、塩気、油気でどうあがいてもうまいところだと思う。調味料の分量をあまり気にする必要がなく、よっぽどバランス崩壊しない限り、適当にやってもうまい。

 焼き時間で付け合せを用意したり包丁やまな板を片付ける間があるのもいい。独居だと、食後の腰が異様に重いので、片付けって結構苦痛じゃないっすか。調理中だと、ランナーズハイ的に一気にできる。独居男性にやさしい。

 あと、このめし(肩ロース氏)は焼いてからノータイムで食うと最高にうまいが、冷めると特に油と渾然一体になった片栗粉部分が非常にしんどい食い物になる。他人が用意した食事だと、焼く・盛る・即食うのって結構難しいですよね。つまり、独居男性におすすめの、ひとりで食うと最高にうまいめし情報でした。

 おっ、明日はクリスマスイブか。

 

twitter.com

 

 見た目がたいぶ違う気がするが、まあ再現できたということで。(多分片栗粉の量の問題だと思う)

 

2016/12/24 13:00頃追記

 全部合わせて揉んだ時にタレ部分が白っぽくなるくらい入れると衣感あるやつになるっぽい。

 

 

 

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28 - Amazonサイバーマンデーセール2016買ったものまとめ

 向き合わなきゃ、浪費と。

 

1.充電するやつ

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01G8O4SV8/

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B019ET14PM/

 この手のもの、大して安くもないのについ買ってしまうの本当にやめたい。

 計3418円。

 

2.東京創元社Kindle本セール(50%ポイント還元)

真実の10メートル手前 (1300円)

叛逆航路 〈叛逆航路三部作〉 (創元SF文庫) (1300円)

亡霊星域 〈叛逆航路三部作〉 (創元SF文庫) (1200円)

犬はどこだ (648円)

完璧な夏の日 (上下合本版) (創元SF文庫) (2000円)

軌道学園都市フロンテラ (上下合本版) (創元SF文庫) (2600円)

 創元はそんなにセールをしないから見かけたら買っておくべきだし、電子版ならいくら積んでも大丈夫。いい時代だ。実際安いし。

 計9048円の50%ポイント還元で4524円。

 

3.早川書房Kindle本セール(45%ポイント還元)

ヒュレーの海 (ハヤカワ文庫JA) (842円)

世界の終わりの壁際で (ハヤカワ文庫JA) (842円)

 第4回ハヤカワSFコンテスト作品が販促も兼ねてかセールに。去年の読んでねえ。

 計1684円の45%ポイント還元で926円。

 

4.文藝春秋Kindle本セール(50%ポイント還元)

コンビニ人間 (文春e-book) (1399円)

 一応読むことにしている芥川賞作品がセールになっていたので購入。労働に精神を破壊される前は候補作まで読んでいたが、すり減った魂では難しい。

 1399円の50%ポイント還元で700円。

 

5.007のBD箱

007 コレクターズ・ブルーレイBOX(24枚組)(初回生産限定) 007/スペクター収納スペース付 [Blu-ray]

 定価27000円のところサイバーマンデーの力で半額。やっと買う決心がついた。悪の秘密結社20世紀フォックスはどうせ今後もこういうやつを売り続けるけどいつか買わなきゃならないし買った。次はUltra HD Blu-rayがそこそこ普及してきた頃にする。

 しかし「スペクター収納スペース付」って客をナメてんのか。

 計13500円。

 

6.草汁Mk-IIの箱

キリン 世界のKitchenから 冴えるハーブと緑茶 500ml×24本

 めっちゃ安かったから買った。単価にして62.5円だった。いや、本当に買えてよかった。

 計1500円。

 

7.人類用洗剤

【大容量】 パンテーン トリートメントコンディショナー エクストラダメージケア 詰替用 超特大サイズ 730g

【大容量】 パンテーン シャンプー エクストラダメージケア 詰替用 超特大サイズ 880ml

ダヴ ボディウォッシュ プレミアム モイスチャーケア つめかえ用 360g×4個セット

 人間には定期的に身体を洗う習性があるので買った。この手のものを通販で買うようになって、持ち帰らなくていい+度々買いに行かなくていい快楽を知って、人間として若干だめになったと感じる。これそこまで安くないし。

 計2000円。

 

■まとめ■

 しめて26,568円、ポイント還元をないものとした純粋な出費は32,549円。

 いい浪費だった。

 

 

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