【ネタバレ】007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 気づいた限りの小ネタ他【NETABARE】

 いい007だったね…

 

 以下、過去作からの参照と思われる描写についてメモ(ダニエル・クレイグ出演シリーズからの参照は自明であるため省く)。その他フィービー・ウォーラー・ブリッジ起用パートについて記す。

 

 

※ネ

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レ注意※

 

 

 

 

 

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1.We have all the time in the world.

 「女王陛下の007」で妻、テレサ・ボンド(トレーシー)を弔う台詞を、ボンドは助手席のマドレーヌに囁く。同シーンの劇伴も同作から。なお、この台詞はボンド家の紋章に書かれた家訓"The World is not Enough."と対になっており、同作の挿入歌のタイトルでもある。

 

2.オープニングの墓参

 トレーシーの墓参りから始まる「ユア・アイズ・オンリー」のオマージュと思われる。同作では墓碑に"We have all the time in the world."の文言が彫られているが、今作はなし。

 

3.ボンドカー①

 言わずと知れたアストンマーティンDB5。

 

4.ジャマイカ隠遁生活

 どちらかというとイアン・フレミング本人。彼は第二次世界大戦中に実際にスパイとして活動し、その後ジャマイカの別荘で隠遁生活を送りながら「カジノ・ロワイヤル」を執筆した。

 

5.君はもう”女王陛下の007”じゃないだろ?

 フェリックス・レイターがこんな台詞を言っていた。全編通じて「女王陛下の007」への参照が強い作品である。

 

6.かつらを取るロミ

 ショーン・コネリーがかつらだったことのパロディでは? あるいは、短髪による女性エンパワメント描写か。ロシアの悪いおじさん科学者がテンプレのまま死ぬのはいいのか?

 

7.ボンド”ウーマン”、パロマ

 おそらくキューバでのシーンは(他と毛色が違いすぎるので、明らかに)フィービー・ウォーラー・ブリッジが脚本協力として起用されたパートであろう。短い中にもそれらしい描写が盛り沢山である。

 大胆な衣装で、キュートでチャーミングで、三週間の訓練で初任務と聞いたボンドを不安にさせる。母親のようにボンドを着替えさせようとして反省する。だが仕事ぶりはボンドも舌を巻くほどであり、嵐のようなアクションで悪漢たちを蹴散らしていく。三週間の訓練でここまでできる、逆に言えば、これまでの”ガール”たちはその機会を与えられなかったから、ガールに甘んじざるを得なかったのだ、と主張しているのである。そしてラブロマンスに突入することなく、仕事を見事にこなしてフェードアウト。彼女がボンドと交わすのはキスではなく、互いを認める乾杯である。大胆な衣装もキュートさもチャーミングさも、男の添え物になるためではないのだ……ということなのだろう。弱さ・愚かさと強さ・たくましさのバランスが絶妙であり、パロマがここだけの登場なのが惜しい。ストーリー上のこの描写の必要性は全くないのだが……。ロシアの悪いおじさん科学者がテンプレのまま死ぬのはいいのか? なあ?

 

8.ボンドカー②

 ロンドンに帰還したボンドが倉庫から持ち出す車、アストンマーティン・V8は「リビング・デイライツ」に登場している。ロジャー・ムーアのシリーズでロータスエスプリなどに浮気した末に、ティモシー・ダルトンのシリーズで久々再登場したアストンマーティン車だった。

 

9.細菌兵器

 「女王陛下の007」でのブロフェルドの企みは穀物や家畜を破壊する細菌兵器だった。しかし今作は過去に輪をかけて邪悪だ。終盤にコロナ後追加撮影?と思われる軌道修正の痕跡が見て取れるが、垣間見える原型の方がサフィンの邪悪さは際だったような気がする……。

 

10.ボンドカー③

 「007は二度死ぬ」以来54年振り2回目の日本車登場。やったぜ世界のトヨタ・ランドクルーザー

 

11.サフィンのアジト

 壁に絵が飾られてるッピ。これは「ドクター・ノオ」における、当時ロンドンの国立美術館から盗難され所在不明だったゴヤの「ウェリントン公爵の肖像」がドクター・ノオの居室にあるという描写を意識していると思われるピ。浅学にして今作で飾られている絵がなんなのかはわからなかったピィ~♪

 

12.拳銃

 ラストバトルで太股に差しているのがシグザウエルP226に対し、土壇場で持ち出されるのが伝統と信頼のワルサーPPK……という描写だった気がする。銃のことはよくわからない。

 

13.ミサイルサイロ

 あっこれ「007は二度死ぬ」だ。日本?だし。

 

14.We have all the time in the world.

 1969年、ルイ・アームストロングの「女王陛下の007」の挿入歌がそのまま使用される。このようなそのまんま流用は過去にまったく例がない。

 

 気づいた限りは以上。返す返すも「女王陛下の007」の参照が多い。ダニエル・クレイグを送り出すにあたり、大切な人を弔う作品の参照が必要だったのかもしれない。ボンドにとってのトレーシーが、シリーズにとってのダニエル・クレイグに等しいのだと考えると、作品自体がまるで彼への愛の賛歌のようだ。いちファンとしても、「カジノ・ロワイヤル」で彼のボンドに出会った時の衝撃は忘れられない。今作は時勢の影響も受け、決して満点とは言い難い出来だ。酷評する批評家も多いと思う。ヒーロー像を揺るがせる、タブーといっていい設定もあった。しかし最後なのである。最後だからこそやれることもあるのだ。きっと誰もが、ダニエル・クレイグ出演シリーズの有終の美に、無感動ではいられないだろう。