64 - リボルテック エヴァ改2号機βで例の船リフトのジオラマを作る

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 なんだかんだ一ヶ月くらいかかってジオラマを作っていた。写真の日付を見るに、着手は3/10だった。おわかりの通り、シン・エヴァを観た後の、結局破とQの間で何があったんだよ!!!!!という怒りが作業の原動力になった気がする。

 

 作業にあたってはこの動画を真似た。

【RGエヴァ2号機】100円アイテムでEVA海ジオラマを作る!Make an EVA sea diorama with 100 yen items! - YouTube

 というか、これを見てうぉーんやってみてえーと思っていたところに映画があり、ちょうどよくやる気が湧いてきたというのが正しい。

 

 まずはリボルテック改2号機βを汚す。

 モノ自体は二年くらい前にBDでQを観たら急にUS作戦2号機が欲しくなり、買ってスナイパーライフルを構えた状態で長々飾っていたもの。

 それにしても、リボルテックのつるつるな表面は一体どうすればウェザリングできるのかわからんので色々実験をし、最終的にラッカー系のつや消しクリアを吹いてMr.ウェザリングカラーマルチブラックに落ち着いた。溝がちゃんと掘られているところはリアルタッチマーカー グレー2で墨入れした。

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 片脚だけリアルタイプ。なお下半身は実験台なのでこのままお役御免になった。

 そして全身をウェザリング

 

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 しかし上の方法はPVC無垢面には丁度いいがリボルテックの塗装面にはあまり有効でなかったらしく、しっかり定着して拭き取れなくなったウェザリングカラーによって白いところがちょっとアレになった。いいんだよどうせ大して目立たないから。

 最終的にタミヤウェザリングマスターをエッジに乗せてプレミアムトップコートのつや消しでなんとなく仕上げた。リボルテックのエッジが全然わかんなくて困った試行錯誤の痕跡を感じてほしい。

 続けて賑やかしのプラモを用意する。

 

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 メカコレクションの特殊潜航艇S号と、同じくメカコレクションのVF-171ナイトメアプラス 辺境宙域仕様(マクロスΔ)を使った。積んであったから……。

 部品が別れているところで黒とグレーに塗り分けて白でウェザリング。一応世界観に忖度してUNってシールを張ってる。(幽閉されるネルフ関係者!!!)

 

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 続けて船。アオシマのウォーターラインの海自補給艦おうみを使った。動画で使っていたというのもあるんだけど、確かにRGとかリボのサイズに合う船というと完成して30cmくらいで、世界観的に現代の船じゃないとおかしくて、戦略自衛隊とかもあったし海自の船で、フルハルだと安定感がなさすぎるからウォーターラインで……と考えるとアオシマのおうみしかない。

 船のプラモは生まれてはじめて組み立てたんですけど、マジで組むだけで1週間以上かかり、組んでいる間はもう二度とやらねえ……という思いが強くなる一方だった。

 

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 なんとなく黒だったりサビ茶色が上から下に流れてりゃいいんだろという安易な考えでウェザリングした。全体にウェザリングカラーのマルチブラックを塗ってなんとなく拭き取ってから、リアルタッチマーカーのグレー2と100均のアルコールマーカーのペールオレンジで汚れを描き、上からウェザリングカラーのマルチグレーで覆って馴染ませ……どうすればいいのか全然わからんし、もう二度と船なんか作らないのでわからなくてもいい。

 そして……

 

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 切断。ホームセンターのハンダゴテのコーナーに行ってみたらコテの代わりにナイフをつけられるコンパチ仕様のものがあり、そうそうこれこれって頷きつつ買った。私は花澤香菜の声で喋るアニメの美少女とコンパチ仕様の道具に弱い。

 

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 内側にはなんとなく針金を貼ってそれっぽくし、断面はタミヤのラバーブラックで塗ってからアクリジョンの銀でドライブラシした。なお。切断工作の過程でなんかアンテナっぽいのが一本吹っ飛んでいるが、気にしないことにする。

 

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 おっかなびっくり船を接着し配置を考える。ここで(いや飛行機が無傷で墜落してるのおかしいやんけ)と遅まきながら気づく。

 

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 穴を開けたり切断したり……。

 気を取り直して海を作る。

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 100均のクリアポケットをくしゃくしゃに丸めて広げ、100均の赤い色紙を挟んでベースに貼る。破とQの間に結局何があったんだよ。(絶対アスカと2号機の復活劇あっただろ。ヴィレ決起の時のヴンダー奪取とか加持さんが集めた地球生物の遺伝情報の積み込み中とかに国連軍やネルフの襲撃を受けてマリひとりじゃで手が足りなくなって眠り姫のアスカが封印柱入りで目覚めて旧劇の再演のようなアクションをして我々が絶頂するようなサードインパクトの顛末があっただろ、絶対あっただろ、俺は見たんだ、だからこの海は青ではなく赤なんだ。シチュエーションは旧劇だが世界観は新劇なんだ、いいか、そういうことなんだ、以降上記のことを理解してこの記事を読むように)

 

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 グルーガンで波を作っていく。作った後に失敗だと気づいた。溶けたグルーが固まる前に爪楊枝とかで成形したが、多分少量出したグルーを固まりかけの状態で広げるのが正しい。固まりかけでやるといい感じに白濁してエッジが立った波になるが、溶けた状態で整形するとエッジが立たない。一度実験してからの本番にすべきだった。

 

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 重曹と木工用ボンドを混ぜたもので穴を埋めつつ泡っぽく。

 

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 グルーのエッジ立てに失敗したのでさらに重曹+木工用ボンドを盛っていく。まあこれはこれで。

 

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 ここにグルーガンで船やエヴァから滴り落ちる水を足し、さらに船-グルーとグルー-海の境界に重曹ボンドを盛って、

 

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 無事完成と相成りました。しかし前回のウルトラマンと同じく肝心の主役が傾いてしまった……。

 

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 二の腕に水色のバンダナ(ティッシュペーパーを裂いたものです)を巻いておいた。ほら、改2号機も国連軍に接収されたから出てきてもヴィレのアスカが乗ってるかわからないからそのへんにあったものを咄嗟に巻いて目視でヴィレ側だとわかるようにしたとかそういう、そういうのを観たんだよ俺は観た!うるさいな!

 

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 実はこのシーンって東宝の大プールで撮影してるって知ってました?映像だと一瞬だからわからないけど実は喫水線から下がなかったりする。だからフルハルモデルじゃなくてウォーターラインの模型を使うのが正解なんですよ。しかもこのシーン、劇中ではハワイ・マレー沖海戦(1942年、特技監督円谷英二)で使用された模型のレプリカを使ってるんですよ。特撮博物館の成果のひとつですね~。(うそやで)

 

 雑なところばかりだが作っている自分は非常に楽しかった。誰かが船を組んでくれるならまたこういうのやりたいな。

63 - ムービーモンスターシリーズ シン・ウルトラマン を使ってキービジュアル再現ジオラマを作る

 絶賛品薄になっているムービーモンスターシリーズ ウルトラマンを無事入手できたので、ガボラに引き続き飾るジオラマを作った。

 

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aruren.hatenablog.com

 

 特撮が好きなこともあり、ジオラマはずっとやってみたい趣味だった。だがなんだかんだ手を動かすのが面倒で、プラモも積み上がるし……というところで折よくソーシャルゲームをやめた。ブルーアーカイブの配信開始に合わせて楽しく遊んでいたところ、突然時間を削られ続ける無為さに気づき、遊んでいたソシャゲ全部やめた。すると空いた時間でずっとやりたかった新しいことにチャレンジできるし、溜まっていたAmazonプライムビデオのウォッチリストも消化できる。子供が独立し定年退職した男の気持ちが少しわかったような気がする。しかし私はまだ目が見えるし、指先も動くのである。時間は有限なのだから、ソーシャルゲームはやめていくに越したことはない。

 

 まずは材料。シントラマンのソフビはたまたまビックカメラ.comで予約できた。

ムービーモンスターシリーズ ウルトラマン(シン・ウルトラマン)

 

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 ベースおよび外枠はセリアで調達した。ホビー用ポリスチレンフォームなんてそのまんまズバリなものがあるセリアはすごい。外枠はフォトフレーム。このご時世に100均のフォトフレームに写真を飾る人がいるのだろうか。

 

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 建物を準備する。キービジュアルの再現が目的だったので、建物は小スケールが望ましい。そこで、バンダイのカスタマイズシーンベース(情景Ver.)をプラのこで切り刻んで使用した。キービジュアルではウルトラマンの足元にある赤い屋根の建物が印象的なので、屋根だけは1mmプラ板で工作した。

カスタマイズシーンベース (情景Ver.) プラモデル

 

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 ベースに石粉粘土を平たく張り、湖(群馬の榛名湖)と陸地、なんとなく道路を作る。乾く前に建物を押し付けて位置を決めておく。ウルトラマンも押し当てて足跡をつけておく(こちらはもう少し深くつけておくべきだった。詳細は後述)。

 

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 続いて紙粘土で山を作り、

 

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 乾いたらアクリル絵の具で着色する。湖側の色が明らかに明るく、なまじ陰影つけちゃお~とかやってるせいで後に馬鹿を見ることになるが、この時は全く気づいていない。

 

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 着色した建物を仮置きしたり。

 建物はグレーの部品にサフも吹かずにシタデルのセラマイトホワイトで筆塗り、乾いたら赤をメフィストンレッド、青をテクリスブルーで筆塗り。色は別に根拠はなく、なんか買ってたものを使った。その後クレオスのMr.ウェザリングカラー マルチブラックで汚し、水性トップコートつや消しでコート。シタデルは初めて使ったが、恐ろしいほどの食いつきと隠蔽力で溶剤は水、匂いもなし、道具は水洗い可能ですごい。高いだけのことはある。ドライ気味でやるのがコツっぽい。

 茶色の部分はタミヤ情景テクスチャーペイントの土 ダークアース、浜辺を砂 ライトサンド、道路を路面 ダークグレイで塗る。そして水面の表現に…

 

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 鉄道模型界隈ではメジャーらしいリキテックス グロスポリマーメディウムを使ってみることに。本来は画材で、アクリル絵の具に混ぜて艶出しや定着力増しに使うらしい。

 

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 見た目がアレすぎる。

 境界部は情景テクスチャーペイントの草のやつでごまかしている。

 

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 エロ同人で見た。

 乾燥待ちの間に山肌にテラプランツを貼っておく。

 

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 はい失敗!!!!!!!

 ちょっと色味がコーラルすぎて、群馬の湖というより沖縄の海になってきた。つやはすごくいい感じなのだが。

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 泣きながらアクリジョンのクリアブルーを塗り、

 

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 もう一層。

 

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 乾いたら上からジェルメディウムというやつを塗る。グロスポリマーメディウムと同じく乾けば透明になるが、粘度が高く盛った時の形が残るのが特徴、らしい。つまり筆の痕が残るとそのまんま筆の痕になるので、乾く前に必死こいて表面をランダムにする。爪楊枝の頭でひたすら叩きました。たぶんここの慣らし具合で海のスケール感が変わるんだと思う。

 そして乾いたらシタデルのセラマイトホワイトでドライブラシし波感を出していく。

 

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 これ波やんけ、完全に波。波と言ったら波なんだ。波打ち際はしっかり気味にドライブラシし、境界線をごまかす。

 ジオラマ本体はここまで。飾りを作っていく。

 

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 ソフビのタグを切り抜き、プラ板工作品に貼って看板っぽく。

 ジオラマにフォトフレームをはめ込み、ベースのポリスチレンを隠す化粧板をプラ板で作って、ソフビを載せて……

 

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 おお~~?

 

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 傾いてるじゃあねーか。飾りを適当につけたせいで足場が傾きTNGパトレイバーみたいになってしまった。

 仕方ないのでスペーサー代わりに透明アクリル板を足裏に仕込んで接着して…

 

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 無事完成。ソフビは股間に異物を挿入するなどして股割りの刑に処し、キービジュアルくらいの足の開き方にしている。

 

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 右。

 

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 左。

 

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 後ろ。正面から見えないところは思い切り遊んでいる。

 まだちょっと傾いてる気がする。気にしなければ気にならない。気にしなければ気にならない。

 

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 上から。

 

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 それなりに水面っぽくなってくれてよかった。よほど大量の水表現をするのでなければ、堰を作って2液混合みたいなやつを流し込んで~みたいなことする必要は特にないらしい。インターネットの叡智、だな!

 

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 飾り板は白いプラ板にMr.ウェザリングカラー マルチブラックを全面に適当に塗り、ティッシュを押し当てていい感じに拭き取ったものを光沢クリアした。いけるか…!?くらいの気持ちで作業したが、ちゃんと石っぽく見えてよかった。

 

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 そこそこ大変だったが面白い作業だった。

 なんにせよやっていくことが大事である。最近はインターネットがあるので、先人の編み出した便利技を手軽に知ることもできる。ネットの知識を集めれば初めてでも意外とどうにかなるものである。なってるか?なってるだろ。なってるなってる。

 次はちゃんとスケールを取ったジオラマを作ってみたい。

62 - ムービーモンスターシリーズ ガボラ を飾るジオラマを作る

 ムビモンガボラを買い、リペイントし、飾るためのジオラマベースを作った。

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 野外に持ち出し自然光で撮影した。結構それっぽくない?

 せっかくジオラマを作ったし、途中経過の写真も結構残していたので、材料や方法などなどまとめることにした。


 まずはガボラ

ムービーモンスターシリーズ ガボラ(シン・ウルトラマン)

ムービーモンスターシリーズ ガボラ(シン・ウルトラマン)

  • 発売日: 2021/02/06
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

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 届いたままの状態。これにリペイントをしていく。

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 劇的ビフォーアフター。全面にMr.ウェザリングカラーのマルチグレーをだーっとやり、元来の茶色塗装部の周辺にタミヤウェザリングマスターCセットの赤サビを乗せてグラデーションっぽくする。アクリジョンのシルバーを尻尾ドリルにドライブラシし、プレミアムトップコート水性つや消しで仕上げた。

 ソフビのリペイントをやったのは初めてであり、ドキドキだった。エナメルを使っちゃダメよとインターネットで見たので、自宅にあったエナメル以外の塗料を使った次第。

 で、ここで終わらせるつもりが、が出てジオラマに着手することになった。

 まずは土台と枠として、セリアのA4フォトフレームとA4の粘着のりつきパネルという商品を買ってきた。ポリスチレンのボードの端をちょっと切るとフォトフレームに収まり、ジオラマの枠にちょうどいい。

 さらにジオラマスポンジ(100均にそんなのあるんだ…)とバークチップ(松の樹皮を砕いた園芸用品)を購入。それぞれにいい感じに着色した。

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 スポンジにはMr.ウェザリングカラーのシェイドブラウンを染み込ませた。

 バークチップは三分の一に分け、やはりウェザリングカラーのマルチブラック+シェイドブラウン、シェイドブラウンのみ、シェイドブラウン+ホワイトダストで三色に染める。これをごちゃまぜにする。

 バークチップを使うやり方はインターネットで見て、これはと思って真似した。しかしこれが後にちょっとした苦労の元凶になってしまう。

 

 さらに(ジオラマなら………………木!)と思い立ち、Amazonでメチャ安(50本1500円)の木を買った。このあたりで要らん反骨精神が芽生え、「高価格・高品質な鉄道模型用品はなるべく使わない」という方針を立てた。KATOだと完成品が3本1000円、36本作るキットが2000円とかだし。

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 いかにも誰かの内職みたいなやつが届いた。

 そして正直覚悟していたとおり強度が弱く、葉がものすごい勢いで落ちるので……

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 水で溶いた木工用ボンドに潜らせてひたすら乾かす。め、めんどくせえ~

 

 材料を揃えたところでおもむろにベースに取り掛かる。

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 ポリスチレンのボードにあらかじめフォトフレームの枠を書いておき、紙粘土を盛っていく。芯材にはペットボトルを切り刻んだものを使った。ガボラの足場が第一なので地形としては明らかに変だが、どうせ色々盛るし気にしないことにする。思えばこの時点で、固まる前に表面に表情をつけておけばよかったかもしれない。

 

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 100均アクリル絵の具の茶色を塗りたくり、

 

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 タミヤの情景テクスチャーペイントの土 ダークアースを塗る。ガボラが足跡を着けそうなところはテクスチャーペイントにアクリル絵の具を混ぜて一段暗い色に。そんなことをするよりどう考えても紙粘土段階で起伏をつけておいたほうがいい。

 

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 続けて同じく情景テクスチャーペイントの草 カーキと草 グリーンを適当に。

 

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 バークチップやスポンジや木を貼る。木工用ボンドと瞬間接着剤(多用途)を適宜使い分ける。

 バークチップは上から水で薄めた情景テクスチャーペイント 土 ダークアースをドライブラシして地面との一体感を演出する。当たり前だがバークチップのないところのランダム感が薄く……

 

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 次の段階で細かく砕いたバークチップをダークアースと一緒に捏ねたものをあちこちに置いたりしている。ガボラが歩いたところで木を倒したり。

 

しかしちょっと表情に乏しいので、

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KATO ジオラマ用品 テラプランツ ダークグリーン 24-321 鉄道模型用品

KATO ジオラマ用品 テラプランツ ミディアムグリーン 24-320 鉄道模型用品

 使わないつもりだった鉄道模型用品に手を出す。

 ちょっと前はフォーリッジクラスターという名前で売ってたらしいが、このパッケージの裏を見るに輸入元?の海外での?商品名?は依然フォーリッジクラスターらしい。よくわからん。

 これをいい感じに盛り、セリアのフォトフレームに収める。

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 ではガボラを置いていきましょう。

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 正面。

 

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 左。

 

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 右。

 

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 後ろ。

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 斜め上。

 及第点ってことでいいんじゃないでしょうか。

 

 野外に持ち出して自然光で撮影したものを何枚か。

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 いいガボラジオラマだった。

 

 いざやってみると、ジオラマ報酬系の刺激がガンプラより強いような気がする。パーツを接着すれば部分的には完成するから達成感がある。雑さを許容してくれるところもありがたい。しかし問題は置く場所がないことで、今は普段脱いだ上着をとりあえず置いておく場所を開けて置いている。これはこれで整理整頓の手助けになるような気もする。いいのかそれで。それでいいのか。

 ネットでジオラマ作りの記事を見てみると、こういうやり方もあるのか~やってみて~~!!と思うことも多く、新しい地平が開けたような心地である。次は水面表現をやってみたい。

61 - 『シン・ウルトラマン』特報を見る

www.youtube.com

 

 情報量が多すぎる。

 

1.日本国防災庁科学特別捜査隊(JAPAN DPA SSSP)

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 防災庁という架空組織が自衛隊と行動を共にしており、ウルトラマンに変身すると思しき男のドッグタグには"JAPAN DPA SSSP"の文字がある。DPAは防災庁を英訳して"Disaster Preservation Agency"の略と思われ、SSSPは言うまでもなく科特隊/科学特捜隊/科学特別捜査隊、"Science Special Search Party"である。

 近年の続発する自然災害への反省から防災庁を作ろうという動きはGoogle検索する限りないでもないらしい。怪獣が前提にあるならMM9(山本弘)のような世界観になるし、前提にないなら豪雨や震災の対応を一元化するための組織と考えられる。

 なお、自衛隊災害派遣を要請できるのは「都道府県知事」「海上保安庁長官」「管区海上保安本部長」「空港事務所長」、災害派遣要請の要求ができるのは「市区町村長」とされている。『シン・ウルトラマン』における防災庁は「要請」「要請の要求」いずれかの権限を付与された組織になるのだろう。

陸上自衛隊:災害派遣の仕組み

 

 科特隊の位置づけだが、現行の仕組みを参照するに、「内閣府 防災担当」がまずあり、水害は「国土交通省 水管理・国土保全局」、地震は「文部科学省 地震調査研究推進本部」があるようだ。キービジュアルの装備にスーパーガンがなく、予告編に登場する隊員がスーツ姿でヘルメットを被らないところから見るに、おそらくこれらの機能を統合した、防災庁下に設置された調査組織になるのだろう。しかし、そう考えるとなぜ斎藤工が拳銃を持っているのかが謎であり、答えとして侵略宇宙人の存在を仮定したくなる。ブレザーを脱いだらオレンジの戦闘服が出てきてもいいんですよ。

 

2.自衛隊車両のナンバー

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 またシン・ゴジラプレジャーボートの番号みたいな小ネタか~~? と思いきやこれはそうでもないらしい。

 

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 一枚目を拡大。

 陸上自衛隊練馬駐屯地の第1偵察隊の車両に、まさに25-2323という番号の車両(87式偵察警戒車)があるらしい。ツイッターで知った。ツイッターには世界の真実が書かれている。

 

3.警察

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 彼らは何に殺到しているのだろう。ウルトラマンになった男だろうか、それとも侵略宇宙人だろうか。機動隊の銃器対策部隊と思われる。

 

4.レヴィ=ストロース『野生の思考』

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 今回の瞠目点。未開文明の中にも科学文明と同等の論理が息づいているとし、転じて科学文明第一主義を戒めたレヴィ=ストロースの著作が登場している。これは恐らく、ウルトラマンがなぜ地球人という低級な生物を愛したのかを分析したものと思われる。

 ちなみに読んでない。2016年だかに放送された100分de名著のテキスト買おうね。Kindleになってないから紙を買うといいよ、NHK公式で送料100円で買えるよ(買った)。

 

4.小ネタ、パナソニックのLet'snote

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 またお前かレッツノート尾頭ヒロミ以来5年ぶり、色違い)はともかく、こういうのを待ってた。右にサンダーバード2号が2つとペネロープ号が見える。

 手前側のサンダーバード2号は脚が金、側部丸であるため、ARE GO版ではない。1/144と思われる相当な大きさから、2005年頃にタカラから発売されたらしい「フルアクション 1/144 サンダーバード2号」ではないだろうか。奥はわからない。サイズ的には特撮リボルテックサンダーバード2号に見えるが、もしも自分がレイアウトを考えるならARE GO版も一緒に置く。どちらもちゃんと4号を発進させていることに、自宅で所狭しとおもちゃを飾ってる人間の発想を感じる。

 ペネロープ号も随分と大きい。調べてみると、AMIEというメーカーから2014年に1/18のペネロープ号が発売されていたようだ。たぶんこれでしょう。

 とはいえ、歴史と伝統のサンダーバード。プラモもあり、塗装や改造をされていたらおしまいである。コレクターなら日本国内では到底手に入らない数十年前の品を持ち出してきてもおかしくない。私の実家にも30年くらい前(!)にイギリスで売ってた(!!)サンダーバード1~5号のダイキャストモデル(!!!)がある。クローズアップショットがない限り特定は困難を極めるだろう。

 左側のPC壁紙は初見ではわかりかねたが、信頼できるスジから教えてもらったところによると、マイティジャックらしい。

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 これも5年ぶりだ。

 

5.やっぱり宇宙人出るんじゃないですか?

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 顔がいい。顔が良すぎて誰に銃を向けているのか気にならなくなってくる。絶対助手席にメフィラス星人とか座ってるよ。

 

6.怪獣に気を取られる

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 怪獣だけじゃなくて家屋が結構CGだし、俯瞰の方は背景全部CGじゃねえかって気がする。ツノのリレー発光は『巨神兵東京に現わる』にもあった。

 

7.パナソニックのToughBook

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 おまたせいつもの過酷環境用PC(5年ぶり)。

 

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 なお、ウルトラマンZはGetacだった。

 

8.ウラン怪獣とタイベック

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 放射性粉塵対策のタイベックとウラン怪獣ガボラとくれば、原子力災害を連想せずにはいられない。

 

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 制作陣が立ち上げのため足繁く通っただろう須賀川特撮アーカイブセンターとの距離感を思う。

 

 関連して、やはり気になるのはネロンガガボラが(元は同じスーツの改造だから)似ていることだ。

 ・同じ宇宙由来の起源により変化した(ベムラー的な立ち位置で怪獣の起源になる何かが出る、ULTRA N PROJECTのリベンジ)

 ・進化した(ネロンガガボラまたはその逆、シン・ゴジラの繰り返し)

 ・同じ生物の環境適応

 ・etc...

 

9.知ってる俳優を探せ

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 シン・ゴジラがヒットした直後、超マイナー映画の出演者欄でまるでその人の代表作のように俳優名(シン・ゴジラ)と書かれているのを見かけた。しかしよくよく確認すると、その人の出演シーンは品川神社の階段でゴジラの接近に驚く市民たちの1カットだけだった。ということがあった。彼らは一山いくらでかき集めたエキストラなのだろうか。それとも本業俳優なのだろうか。知った顔はあるか?

(与太話として、パトカーの赤色灯を何らかの形で危機サインとウルトラマンが学習し、カラータイマーが発現するフラグだったら嬉しいなと思っている)

 

10.これみよがしな電線

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 カッコいいだろう!(ギャギイ!!)かもしれないし、発電所が襲われることを示唆しているのかもしれない。

 目の点を除くだけでこんなにも宇宙人らしくなるのか、という感動がある。

 

 11.その他

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 ウルトラマンの姿の初出だったこのキービジュアルだが、福島とのつながり、白鳥型遊覧船から猪苗代湖ではないかと推測した。『ウルトラマン』栄光の第一話「ウルトラ作戦第一号」の竜ヶ森湖もロケ地は猪苗代湖であり、円谷英二の出身地は特撮アーカイブセンターのある福島県須賀川市なのである。

 だが、この湖は群馬県の榛名湖なのだそうだ。

■情報 庵野秀明 企画・脚本、樋口真嗣監督『シン・ウルトラマン』初ヴィジュアル公開: ★究極映像研究所★

https://twitter.com/maruzo0717/status/1206013209351573504

 

 既に見つけている人がいたが、せっかくなので見に行ってみた。GoogleMapsで。

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 なるほど~~! 湖畔に赤い屋根の建物があって白鳥型の遊覧船のある湖って結構ある気がする(猪苗代も白鳥が名物だった)けど、見つけた人はすごい。

 

59 - 2020年に観た深夜ドラマ

 しょうもない深夜ドラマが好きで、手が空いた時や家事の間でよく観ている。しかし結構観たこと自体を忘れがちで、何を観たのか、何を見逃したかも思い出せないことが多い。せっかくの年末年始なので、まとめて残しておくことにした。アニメと被ると録画できないなどの悩みもあり……。ダブルチューナーでHDDがクソデカいレコーダーに買い換えるべきかもわからん。

 なお、ここでいう深夜ドラマは主に23時以降に放送される実写作品を指す。

 

■放送局(枠名)

・作品名

 

NHK(よるドラ)

・いいね!光源氏くん

 千葉雄大主演。かわいいなどと評されることが多い彼が光源氏を演じ、現代に暮らすOL(演・伊藤沙莉)の自宅に突然現れるラブコメディ。女の好きなものが好きな軟派でトボけた男に千葉雄大がベストマッチしていて、いちいち平安貴族ボケをかましたり感動すると詠んだりするテンプレが観ていて心地よかった。中盤で登場するキザ平安貴族・中将役の桐山漣も非常に良かった。「これは経費で落ちません!」に続き脇役の顔のいい男役が板についてきている。毎週の癒やしだった。

 

腐女子、うっかりゲイに告る。(再放送)

 ゲイの少年を好きになってしまったBL大好き腐女子の物語。軽そうなタイトルとは対象的に、若いゲイのリアルな悩みと、結果的にゲイを性的に消費しているともいえる腐女子文化の乖離が真正面から描かれる意欲作だった。「好きなんでしょ、ホモ」は忘れられないセリフになった。また、時折差し挟まれるゲイの目から見たBLへのツッコミが、キャラクターたちの誠実さによりコメディになっているのが良かった。

 

・彼女が成仏できない理由

 ミャンマーからやってきた漫画家志望の青年・エーミンが主人公。彼が借りた部屋の地縛霊の正体が実はエーミンが憧れる漫画家で、しかし連載はまだ続いている……というコメディのようなサスペンスのような物語だった。面白いのはミャンマー人である主人公・エーミンをを森崎ウィン(実際にミャンマー生まれ)が演じていること。設定と森崎ウィンのどちらが先に決まったのだろうか。NHK名古屋放送局制作であり、外国人が多い愛知の実際が反映されたと思しき描写も多く、印象深い作品だった。

 

・閻魔堂沙羅の推理奇譚

 毎回非業の死を遂げたゲストが閻魔大王の娘・沙羅(演・中条あやみ)の計らいで「死者復活謎解き推理ゲーム」を行い、自分を殺した相手を推理することで現世への蘇りを目指す物語。中条あやみに変な服を着せない闇の勢力の暗躍を感じる。悪くはないが、前後編になっていないエピソードでは尺不足感が強かった。それにしても良かったのは第5回のR-指定(Creepy Nuts)出演回だ。金に汚い小物のクズ役にR-指定がびっくりするほどハマっている。

 

■フジテレビ系列(カンテレドラマらぼ)

 BSフジで観ているため、地上波での初放送が2019年の作品も含まれる。

・時空探偵おゆう 大江戸科学捜査

 祖母の差し金で江戸時代にタイムスリップしたミステリマニアのOL・関口優佳が、江戸の殺人事件を現代の科学捜査で解決するミステリ。主人公が現代で証拠分析を依頼する受託分析会社の友人・宇田川聡史を甲斐翔真が演じている。「ココロがオドるな……」などのパロディセリフもあった。時代劇としてはいささかチープであり、受託分析の描写もちょっと雑だがそこは深夜ドラマの味である。

 

・名もなき復讐者 ZEGEN

 2020年の風俗業の悲哀……性犯罪、絶対に許せねえ!枠。川崎の風俗街を舞台に女衒、と呼ばれ本名過去一切不詳の男と病気の夫のため日本の風俗へ出稼ぎに来た中国人の女、その女が強制送還を逃れるために偽装結婚した病で余命幾ばくもない男の過酷な交流の物語。中国人風俗嬢の女を馬場ふみかが演じており、驚くことに中国語の会話シーンも多い。女衒の過去を巡る縦糸の話が強く、風俗に送り込まれる女たちの物語は比較的薄味だった。深夜ドラマらしいチンピラやサイコな男女が続々と登場する様子はなんだか青年誌の漫画を読んでいるようだった。

 

死亡フラグが立ちました!

 失敗する確率が90%の殺害手段でも繰り返すことで0%に漸近して必ず成功するというテーマで最後まで突っ走った。そりゃねーよと言いたくなるところ、塚地武雅演じる天才投資家(金持ちで女にメチャモテでケンカも強い)が物語を絶妙にコメディにするのでバランスが取れて成立している。なにせ最初の殺害手段は「バナナで足を滑らせて頭を打って死亡」である。バカミスが次第にシリアスへと変貌していく終盤への舵取りが上手かった。

 

・連続殺人鬼カエル男

 原作がメッチャ好き。そのせいかドラマの出来はいまひとつだな……という感想になった。薄汚れた絵面、美術は非常に優れているが、ドラマが主役の叫びに依存しすぎている。前田航基(まえだまえだ)演じる自閉症の少年のそれらしさが救いか。あと引き伸ばし感がひどい。

 

・そして、ユリコは一人になった

 逆らうものには不幸が訪れる「ユリコ様伝説」の残る元女子校の百合ヶ原高校。ユリコという名前の生徒は選ばれた一人しか存在できず、他のユリコは皆不自然な形で学校からいなくなる。そんな学校に入学した親友の矢坂百合子を守るため、ユリコ様伝説の真相を解き明かそうとする美少女探偵・嶋倉美月(演・玉城ティナ)が主人公である。百合、実写!強すぎるメイクで無理矢理女子高生にされた険しい絵面!とはいえ絵面に慣れてくると、誰が仕込んだ事件なのか解決編まで全くわからず一方的に振り回される。「百合」から来る固定観念まで利用した結末には舌を巻いた。惜しかったのは、描写の中で霊的な力がほぼ感じられず、人間以外が正解候補にならなかったことか。

 

■TBS系列(ドラマイズム)

・荒ぶる季節の乙女どもよ。(未見)

 TSUTAYAプレミアム独占配信をやめるかBSで放送するかしてくれ。

 

テレビ東京系列(ドラマホリック!、ドラマパラビ、木ドラ25、ドラマ24、真夜中ドラマ)

 BSで視聴しているので、地上波初放送が2019年の作品も含まれる。

・死役所

 松本まりか枠。松本まりかが映るたびに絶頂していたので内容はよく覚えていない。

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 ゼアイズサイコーオンリー(最高しかない)。全人類こういうお姉さん好きだろ。

 終盤に登場した新興宗教のサインと紅白歌合戦に出てきたGENERATIONSのサインがもろ被りしてて笑った。

 

・僕はどこから

 かつて親友同士だった小説家志望の主人公とヤクザの男が、金のために替え玉受験に加担したりする話。適当に書くのは物語がとっ散らかっていて短いセンテンスでの説明が難しいからで、そういうものは大体おもしろくない。主人公の特殊能力(他人の書いた文章を書き写すことで発動するメンタルトレース)が地味すぎるのが困りものか。

 

・ミリオンジョー

 人間嫌いの大人気漫画家が人知れず突然死。国民的人気を誇る彼の連載作品「ミリオンジョー」を完結させるべく、遺された最終回までの脚本ノートを元に編集がネーム、チーフアシスタントが作画となって奮闘する物語。バレるバレないのハラハラが最後まで途切れず面白かった。目の肥えたネットの読者や子供たちを失望させてはならないと鬼気迫る勢いでネームに打ち込む編集者・呉井総市役の北山宏光Kis-My-Ft2)が熱演だった。アンケートの結果が芳しくないので展開を一気に詰め込むとか、一枚絵の主人公は必ずカメラ目線にといった漫画ノウハウもリアリティを高めていた。

 

・来世ではちゃんとします

 セフレが6人いる性依存女子・大森桃江(演・内田理央)といずれ劣らぬ性的に駄目な同僚たちの生態を描くコメディ。こじらせた大人たちのしょうもない日常を面白おかしく描くものだが、時々ウッ!!ワカル!!!ってなってしまった(どぼぢで)。常に男好きする服を着て男好きする仕草を繰り出す内田理央は必見。

 

ゆるキャン△

 ロケ地の学校行ってきました。アニメともども地元に愛されていていいことである。しかし特になでしこの演技、仕草はここまで漫画にせんでもよくないかと思った。が、大垣の再現度はすごい。2.5次元というととんでも髪型とんでも衣装のイメージだが、こういう2.5次元もありという範を示した作品だった。

 

・コタキ兄弟と四苦八苦

 野木亜紀子脚本によるオリジナル深夜ドラマ。46歳独身無職・古舘寛治。42歳別居中無職・滝藤賢一。当代きっての実力派バイプレイヤーたちが演じるクズのおっさんの貫禄は圧倒的である。しかし彼らが「レンタルおやじ」を通じて出会う人々には少なからず現代の社会問題が投影されていて、しょうもない兄弟による単なるコメディには終わらせない意欲作だった。1話市川実日子、2話岸井ゆきのとゲストも豪華である。滝藤賢一演じる弟がセレブのホームパーティに呼ばれておもちゃにされる6話のしんどさが忘れられない。

 ちなみに、放送枠のドラマ24孤独のグルメを産んだ枠でもあり、去年のマイベスト深夜ドラマ「フルーツ宅配便」もこの枠だ。

 

・絶メシロード

 会社でも家庭でもうだつの上がらない男、須田民生(演・濱津孝之)の唯一の楽しみは、妻と娘が推しのライブに出かける週末、「誰も誘わない」「誰も巻き込まない」「予算はお小遣いの範囲内」の三原則を守って一泊二日の車中泊旅行に繰り出すこと。彼の楽しみは旅先で出会う「絶滅しそうな絶品メシ」、絶メシ。決まって個人経営の今にも潰れそうな店での、店主や常連客とのちょっと殺伐とした交流の物語である。

 実際地方へ旅に出てみると、特に名店というわけではなさそうな飲食店がロードサイドにぽつんとあるし、入ってみると地元の人しかいない。二度と訪れることはないし、潰れても自分が困るわけではないけど、やっぱり寂しい。そういう気持ちを思い出すドラマだった。

 

・どんぶり委員長

 声優・伊原六花が制服を着て主演するバカドラマ。育ちがいいのでどんぶりみたいなはしたないものは嫌いな委員長(演・伊原六花)が、同級生の料理上手な吉田くんの作るどんぶりに魅了されていく物語。出てくるどんぶりが毎回簡単かつ美味しそうで、すごくいい。ここにも前田航基がクラスのオタク役で出演していた。

 

 17作品を観て1作品見逃した。荒ぶる季節の乙女どもよ。が観たい…。

 あえてベストを3作選ぶなら、

 

腐女子、うっかりゲイに告る。

・コタキ兄弟と四苦八苦

・絶メシロード

 

 の3作か。若い演者をちゃんと使えていれば「そして、ユリコは一人になった」が年間ベスト級だった。

 

58 - 旧赤線・松本市西堀を歩く

 みんなー、GoToしてるかなー?

 去る2020年7月25日、GoToキャンペーンを活用しつつ松本市を訪ねた。

 第一の目的地は、カエルで知られる縄手通り商店街。

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 入口からいきなり謎の巨大カエルのお出迎えを受ける。商店街のそこかしこにカエルの像が立ち、雑貨店ではこれでもかとカエルグッズが販売されている。元はと言えば、商店街が沿う川にカジカガエル(清流に生息するアオガエルの一種。鳴き声の美しさで知られ、万葉の昔から歌に詠まれている)が生息していたことによるのだという。しかし世は新型コロナウイルス騒ぎの真っ只中。

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 カエルたちもばっちりマスク着用だった。

 続いて第二の目的地は、旧開智学校

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 うう~ん、謎塔、謎唐破風、謎天使、これぞ明治の擬洋風建築……。

 行って初めて知ったんだけど、残念ながらこの建物は一度解体移築を経ているらしい。入ってみるとやけに綺麗で使用感がなく、以前に見物した旧岩科学校(伊豆松崎町)の方が見応えがあった。

 

 さて、ここからが本題。

 長野といえば教育県だが、白で塗り潰せば必ず下から黒がにじみ出てくるものだ。観光地化した松本市にも、かつては赤線、現在は怪しい(おっぱいを揉むタイプの?)スナック街と化した一角がある。それが西堀地区だ。

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 地図でいうとこのあたり。現在は松本市大手二丁目にあたる。なわて通りや松本城からの距離感がわかるかと思う。完全に徒歩圏。堀の西なのだからそりゃ当然だ。

 エリアの外れにあるコインパークに車を停め(松本市内の一方通行絶対に許せない)、小雨が降る中探索開始である。

 

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 まず目についたのがこれ。いかにもな看板建築だがいかがわしいやつではなく、銭湯である。建物は大正期に建てられたものだそう。いやあ見事。

 

 続けてエリア外周を歩いてみる。

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 こ、これは……トルコ風呂を駆逐した後に立ちがちな児童公園! 児童公園の周囲200mには性風俗店は営業できないのだ! ……と、思ったら、どうやらこの地域でそういう役割を果たした児童公園は別にあり、今は潰されて寺の敷地になっているらしい。かつてのものが硫黄島に翻った星条旗なら、この公園はさながらアーリントン国立墓地の銅像である。

 このあたりで、私も徐々に目が慣れてきた。

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 外周の同じ場所からエリアの外と内を見る。すると明らかに雰囲気が異なるのだ。

 

 外周を歩いて、徐に内側へと切り込んだあたりで出くわしたのが次の建物。

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 真ん中だけ艶っぽい窓が残っている。年代別のキメラである。

 

 しかし現在は基本住宅街の中にまばらにスナックという様子。かつての建物はあまり残っていないのかなー、と考えつつ歩いていると、とんでもないものが出てきたわけです。

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 見るからに妓楼そのものである。一階部分はさながら"ぬけられます"状態で、見つけた時は思わず拳を握ってしまった。しかもスナックとして未だに現役の様子。たぶんこのあたりがセクハラしたい人たち向けのお店なんだろうなー。

 

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 無造作に置かれた自転車が面白半分のよそ者を阻んでいた。

 

 気を良くして歩いていると、またすごい建物が。

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 窓がいい……。

 人が住んでいる気配はないし、後は取り壊すだけという雰囲気だが、一体どういう謂れの建物なのだろう。

 

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 近づいてみるとこんなものが。昭和27年って……。

 

 ここからはノスタルジックな気配を感じる建物等の写真を並べる。

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 写真は載せないが、改装して個人の住宅になっているものの、渡り廊下はあるは丸窓はあるわで見るからにそれな建物もあり。かつてのままうらぶれている建物もあれば、活用されているものもあり。とはいえ、今の主役はスナックかなあという感じ。

 

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 なぜかね、タイ料理店がね、やたらあるんですよね。同じ一角に3軒4軒とある。

 

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 タイ人接客のスナックにタイ古式マッサージもある。日本人というより女性はタイ人メインで、怪しいスナックの方はセクキャバみたいになってんのかなあ、と想像しつつコンビニでタバコを吸っていると、軽自動車からやたら透ける服のタイ人女性が降りてきてタバコを吸っていたりした。街が現役なら深入りは禁物。

 

 松本市西堀はここまで。次回は下諏訪・上諏訪編です。

57 - 旧赤線・金沢石坂を歩く

 およそ1年前、2019年8月25日に、金沢の繁華街にほど近い場所にある「石坂遊郭」の跡地を歩いた。近くには「にし茶屋町」という観光地化した芸者街があるが、そこからなんと徒歩一分である。

 石坂は旧町名であり、現在の地名は「増泉1丁目」である。戦後も赤線地帯として売春が行われていたが、次第に廃れ、特飲街はうらぶれたスナックへと姿を変えていった。小綺麗な加賀百万石~~~!!という町並みから水路にかかる橋をひとつ渡ればアンダーグラウンドの気配。赤線遺構探索の醍醐味である。

 余談になるが、そもそも金沢を訪れたのはガルラジの絡みで、前日から当日にかけて手取川海瑠と吉田文音のホームであるところの徳光PAや「変なオブジェ」のある松任駅、手取フィッシュランドなどを訪れた。2019年はガルラジ。2020年もガルラジ!

 宿泊はちょっと奮発し、花咲くいろはの舞台として知られる湯涌温泉のちょっといい旅館に宿泊した。数日後に宿泊ありがとうございますという葉書が届いた。高い宿ってそういうことするんだ……と感激してしまった。

 珍しくひとりではなく、高橋と名乗る住所・年齢・職業・姓名不詳の男(ツイッターの相互フォロワー)と一緒だった。しかし何度となく飲みに行き、旅行にまで行っても、未だに私は彼の本名すら知らないままである。むしろ知らないほうが面白いので彼の宿帳は見ないようにした。高橋、一体何者なんだ。

 さて、レンタカー(乗ってみたかったのでカローラスポーツのハイブリッドを借りた)を地区の外縁部にあるコインパークに停め、探索開始である。

 

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 タイル、少し斜めの入口。特徴はあるものの確信には至らない。

 しかし奥へ奥へと歩みを進めていくと、次第に怪しい雰囲気が漂ってくる。

 

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 謎のスナックビル。よく見ると2階の窓から置屋建築の名残らしきものが見える。

 

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 同じ建物を角度を変えて。第三飲食街、一体なんなんだ。妓楼1棟をモルタルで台無しにし、タイルを張って複数のスナックに分割したのだろうか。赤線時代にはどんな営業をしていたのだろう。

 

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 室外機の新しさを見るに、スナックとしてはまだ現役なのかしら。

 

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 奥へ進むと、当時の雰囲気を生かしてリフォームしたような建物が並ぶ。木造の部分、タイル張りの部分、それぞれにそれぞれの時代が見え隠れする。見切れている左側も似たような建物なのだろうが、こういう場所の常として、日進月歩で失われている。

 

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 タイル、いいよね…

 

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 無惨にも崩れたタイル。

 

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 先程の「第三飲食街」とはまた別の、多数のスナックが入居する建物。味のあるうらぶれ方をしている。

 

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 往時を偲ばせる建物。路地は狭く、アングルが限られてしまうのが惜しい。いつまで取り壊されずに残っているかわからないのだ。

 

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 タイル、タイル、タイル…

 1枚目の建物はリノベーションされ、カフェ兼雑貨屋兼女性専用ゲストハウス「凛凛」になっている。私と高橋も休憩がてら入店した。「建物ですか?」と我々に訊いた店主は30と少しくらいの女性で、町家の風情に魅せられて出店したという様子。艶やかな浴衣姿が印象的だった。それとメチャメチャ元気な犬。余談になるが、私は犬が苦手である。人間の子供と同じくらい苦手である。遡ること25年ほど前、小学生の時分、遊びに行こうと意気揚々と近所を歩いていた私。そこへ犬を連れたご婦人が通り掛かる。すると犬が吠えて、私の方に向かって牙を剥いて走ってくる。そうはいってもリードついてるし、射程範囲に入らなければ余裕だし、当たらなければどうということはないしと油断していると、そのリードが伸びた。ご婦人の手元には巻取り機構があり、どうやら伸びること前提の商品らしい。当時の私は9割の恐怖と1割の怒りに駆られ、脱兎のごとく回れ右して駆け出した。そもそも、リードが伸びたら意味がないではないか。これだから愛犬家というやつは困るのだ。ワンちゃんが自由に走り回れて最高~♡とでも思っているのか。愛らしさのために理性のない獣を手元に置いているという自覚が薄れるのはわかる。わかるが、それで私の恐怖と怒りが薄れることはないのである。さて、そんな出来事から25年余、私は生活の中で可能な限り犬を避けてきた。確かに犬は怖かった。だがもういい大人である。たかが犬、余裕余裕。そう思っていたが、我々が入店するやいなや狂喜乱舞の様を見せる犬に足が竦んだ。犬はやはり犬である。大丈夫だと思っていたがやっぱり駄目だった。琥珀さん、俺やっぱ犬駄目だわ。何がワンちゃんだ煮て食われろ畜生め。

 

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 店内の様子とお茶。犬はともかく、末永く繁盛してほしい。

 

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 最後に、ものすごい勢いで手取川海瑠を感じた、フォーラス金沢内での一枚。

 アクシデントはあれど、総合的には、いい金沢だった。